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【パワハラ上司が怖くて言えない】退職届は電話やメール、郵送でも可?


上司からパワハラを受けていて会社を辞めたい。でも怖くて辞めることも言い出せない。人事に電話で退職を伝えるっていうのは社会人として非常識なことなのかもしれません。もちろんそんなことは頭では分かっています。でも相手はパワハラ上司です。

できれば上司の顔も見たくない、声も聴きたくない、もう関わりたくないという気持ちかもしれません。こんな状態で退職届っていつまでにどうやって出せばいいのでしょう?やっぱり無断欠勤はマズイですよね?

こんな悩みを持つあなたに電話一本で退職するにはどうしたらいいかをまとめてみました。この記事を読むことで退職時に伝えるべき内容、タイミング、伝え方がわかります。


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退職するってどういうこと?

退職すればもう会社に行く必要はありません。なぜなら退職とは「あなたの労働力を提供する契約を終わりにすること」だからです。労働力を提供しない代わりにもちろんお給料ももらえません。会社の取引先に行くこともありません。パワハラ上司に会う事もないでしょう。会社の肩書を名乗ることももうありません。

つまり、会社との縁が切れるということです。もう赤の他人です。会社とは無関係です。無関係になるわけですから、会社のものとあなたのものを明確に分ける必要が出てきます。

ちなみに退職に関する規定は、必ず就業規則に定められていますので確認しておきましょう。例えば、退職届は1か月前に出すように規定している会社が多いようです。就業規則を確認できない人がいるでしょう。民法では、退職したい日の2週間前に会社に伝えると定められています。詳しくはこちらの記事「【パワハラで退職したい】退職の際に知っておきたいルール」をご覧ください。

退職して会社との関係を清算

退職すれば会社のモノとあなたのモノを分ける必要があります。だってもう関係がなくなるわけですから。あなたの私物が会社に残っていたら会社は処分するのも困りますし、逆にあなたが会社の備品をもっていたら返さなければなりません。

では、具体的に何をする必要が出てくるでしょうか。一覧にまとめてみました。退職Todoリストです。電話一本でもう明日から会社に行かないと覚悟するのであれば、あなたは入念な準備、段取り、退職を告げるタイミングの全てを事前に把握していなければなりません。もう会社に行かないと覚悟を決めたわけですから。以下のリストをご確認ください。

【退職Todoリスト】

口 いつ辞めるのか
⇒退職日を決めて逆算して準備を進めましょう。でないとだらだらと引きずることになります。

口 退職願又は退職届を用意
⇒会社規定の退職願・退職届があるかもしれませんが、事前に知らせるわけにいきませんから人事からもらっておくことはできません。通常は手書きで用意します。

口 備品(社員証・名刺・文房具・制服など)の返却
⇒事前に片づけておくのは不自然ですから、返却物一式のリストを作成し署名しておきます。

口 支給された携帯電話
⇒基本的に会社の看板で築いた人脈ですからアドレス帳のデータは会社の資産となります。個人的なおつきあいに発展している場合は、退職する意向を伝えたうえで会社の電話番号ではなく個人のアドレス帳か個人LINEに登録を切り替えておきましょう。

口 挨拶周り
⇒事前に退職することを伝え、それを上司や会社には言わないようにお願いしておく必要があります。ただし、守ってくれる保証はありません。退職後に連絡をする際は、以前勤務していた先の~などとして、会社に所属しているかのような言動は禁物です。

口 引き継ぎ
⇒自分の取引先や業務の進捗状況などをまとめておき、自分しかわからないような作業がある場合はマニュアル化しておきます。大変面倒な作業となりますが、退職後にあれこれと電話がかかってくるかもしれません。相手の質問を先回りしてQ&Aを作っておき、疑問に感じたときには誰に聞けば分かるか等まで指定してあげておくと完璧です。

口 有給消化の問題
⇒有給消化が全然できていない方は、退職の意思を告げた後は有給で処理してほしいと考えているかもしれません。有給なんて取れる会社ではないのだとしたら、それは労基法違反です。ところで、あなたは有給休暇の取得実績を自分で管理していますか?年次有給休暇の消滅時効は付与された日より2年間ですのでしっかり管理しておきましょう。有給についてはこちらの記事をご参照ください。

有給は退職によってどう扱われるのでしょうか?有給を使わずに退職してしまえば、その権利は消滅してしまいます。仮に有給が残っているからといって会社が買い上げてくれるわけではありませんしその義務もありませんので、すべて使い切ることができなくても7~8割程度の消化を目指しましょう。

口 当月分の未払い賃金や残業代
未払い分の賃金はどう支払うのか、残業代の未払いがあるのか、その金額と振込先は通常の口座なのか処理を明確にしておきます。

口 健康保険被保険者証
⇒退職日以降は使えませんので、電話をしてもう出社しないと決めるギリギリまで持っておきましょう。

口 退職金をどうするか。
⇒就業規則で退職金規定がある場合は、支給のために必要書類を準備しておきます。電話で退職をすることになりますので、退職後に郵送でのやり取りになるかもしれません。

口 会社で加入している組合の脱退手続
⇒会社で加入している組合などの脱退手続も書類が必要かもしれません。利用規約などを確認し脱退方法や継続加入について確認しておきます。

電話で退職するための段取り

ここまで準備はできたでしょうか。完璧にすべてを事前準備することはできませんのでその場合は郵送で対応するしかありません。また、人事からも源泉徴収票や雇用保険被保険者証など退職に当たって重要な書類のやり取りが発生します。

次に段取りを事前に組んでおきましょう。電話だけで明日からもう職場に行かないためには上記のリストに基づいてスムーズに手続きをこなしていかなければなりません。行動計画を設定し、上記のTodoリストの項目に対する人事の質問や確認事項についてすべて用意をしておく必要があります。

退職に関することの他にもいつまでに転職活動を終える、いつまでに労災の申請手続を取るなど期限を設定して取り組みましょう。ズルズルと退職手続が長引かないよう意識することが重要です。すぐにでもやめて解放されたいという気持ちもよくわかりますが、衝動的に行動するのは得策ではありません。

さぁいよいよ電話をかけるときです。パワハラ上司には電話できないため、人事に電話をすることにします。では、どのタイミングで電話をすればいいのでしょうか。

退職の意思を会社に伝える電話の時期やタイミング

転職活動のタイミングを考慮する

次の就職先を検討しているのであれば、まずは情報収集を始めることが先決です。人が動く12月や3月に合わせて転職活動をするのであれば、10月くらいから動き出すとライバルに差をつけられるでしょう。業界の動向や業界特有の異動の時期なども考慮した方がスムーズな転職活動になります。

通常の流れは、転職活動を行い転職先が決定してから退職という流れが一般的でしょう。ただ、パワハラを受けている状況下ではそんな余裕もないかもしれません。まずは失業保険をもらいながら就職先を見つけるというやり方もあります。

パワハラ問題を知りつつ会社が対策を取らず離職せざるをえなった等の特定理由離職者と判定されれば、自己都合であっても3か月の給付制限がなくなりますので給付手当をもらいながら転職活動を行う事も可能です。

会社の繁忙期は避ける

会社の繁忙期にあっては、通常業務だけではない特殊業務が発生したり、イレギュラーな対応を迫られることも多々あります。会社の組織体制によっては上司だけではなく人事や総務でもゆっくり時間を取ることができないかもしれません。

会社の事情に応じての対応になりますが、忙しいとどうしても心の余裕がなくなり感情的になりがちです。パワハラ上司が相手であれば、尚更でしょう。第三者を交えて粛々と手続を進めるためにも会社の繁忙期は避けたほうがいいかもしれません。

何時ごろ電話するのがいい?

あなたが電話を受ける側の立場ならどの時間帯に電話をしてほしいでしょうか。朝の忙しい時間や休憩に入る間際、退社する間際の時間はさけてほしいと考えるのではないでしょうか。同じです。電話を受ける相手の立場に立っていつ頃がいいのかを判断しましょう。

上記のことを頭の片隅に置きながら、タイミングを見て電話してみましょう。もちろん転職のタイミングまで待たなければ絶対にダメというわけではありません。会社の繁忙期だからと言って退職届を出してはいけないという決まりはありません。

退職は入社に比べて3倍大変?

これだけのことを電話だけで済ますのは相当の準備が必要だという事がわかりました。ただ、どんなに準備を尽くしたとしても1個や2個は必ず不備が出てくるものですし、たった1度の電話で人事がこなさなければならない仕事をスムーズにこなせるでしょうか。

例えば、結婚したてのときはアパートを借りてお互いの私物を持ち込んだり共同のお財布から家具を買ったりして生活をします。結婚している間はもちろん何の不満もなく時が流れますが、3年後に離婚するとなったらどうでしょう。お互いの関係を清算するには今まで購入してきた財産を分けるという作業が必要になります。

会社と比較して夫婦の方がより関係が濃いですし、金銭的な面でも共同で購入した車や不動産があれば財産分与の対象になるなど関わり合いの深さも異なります。ただ、お互いの関係を清算するという意味合いは同じです。

離婚届の署名はどうするか、子供がいれば親権は?養育費は?となるでしょうし、ちゃんと書面にしておくにはどうしたらいいか、旦那の戸籍から抜けたらどこに本籍を移すのかなんてことも考えなければなりません。ただ、お互いの関係を清算し、赤の他人に戻るということは細かいことにまで気を配らないと収まりません。

人事担当者の立場からすると確認すべきことが山ほどあるかもしれません。一方で、そうはいっても心身ともに疲れ果てているし、すぐにでも逃げ出したいという方がいることも確かです。

では、実際にどんな感じで退職を切り出せばいいのでしょうか。正解はありませんが、例えばこんな感じでどうでしょう?

パワハラ被害者:ちょっとご相談したいことがありまして少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか。実は〇〇部長からパワハラを受けている件で心身ともに疲れ果ててしまいました。ここ最近うつの症状も出始めていてこれ以上働くことは無理だと思います。

〇日付で退職し、それまでは有給消化したいのですがよろしいでしょうか。退職届はすぐに郵送させて頂きます。備品や引き継ぎ関係の書類はデスクにすべて準備してあります。退職時に手続を要するものがあれば郵送でご連絡下さい。

人事担当者:そうですか。それは大変でしたね。お疲れ様でした...。

…とは、ならないですよね。人事担当の耳に事前にパワハラの件が入っていたとしてもまずは改めて事情を確認することになると思います。それにヒラ人事担当一人の問題ではありませんので、必ず人事部長なり役職者の稟議を通す必要があります。なおさら「はい、そーですか」とはなりません。

結局は、まずは会社に来なさいという事になり、再度嫌な思いをしながら面接の様な緊張する場面で退職の経緯や今後の進路、退職の手続などについて確認されることになるでしょう。

退職を取り合ってもらえない、辞めさせてもらえない場合は?

いざ退職となれば、後任の採用や業務の穴埋めのために社内外の調整作業が必ず発生します。会社からすれば通常業務以外の業務が発生することになりますから、突然辞められるのは困ります。会社から強く引き留めされるかもしれません。

ただ、相談してもなかなか退職ができない。充分な準備をしていてもなかなか辞めさせてもらえないという会社もあるようです。そのような場合は内容証明郵便で退職の意思を表明するか退職代行サービスを利用するなどして強い決意で退職手続を取る必要が出てきます。

ところで、パワハラをきっかけに自分の意思で退職を決意する方もいれば、職場や会社は好きなのにパワハラ上司のために心身を病み、退職せざるを得ない場合とでは、退職の意思にも若干の違いがあります。そもそも退職届とはどのようなケースで提出するものなのでしょうか。

パワハラで退職したい場合は退職願?退職届?辞表??

会社を退職するという場合には、大きく二つの流れに分かれます。それは自己都合退職と自己都合退職以外の退職です。自己都合とは、例えば今の仕事より他にやりたい仕事がある、親の介護で会社を辞めざるを得ないといった個人的な事情で退職をする場合を指します。退職届や退職願は、本来この自己都合による退職のみ提出するものです。

期間の定めのある雇用契約(契約期間満了)

契約社員など雇用契約に期間の定めのある場合は、その期間の満了をもって契約期間が切れます。労働基準法では、更新の有無を雇用契約書や労働条件通知書により通知しなければならないとされています。契約期間の満了で退職をするという事になれば、退職届は必要ありません。

退職勧奨

会社からの勧めに応じて自ら決意して退職するのではなく、上司のパワハラで退職せざるを得ない状況に追い込まれているのであれば当然自己都合退職ではありません。お互いが退職について合意した内容について書面に残しておきましょう。仮に一身上の都合で退職届を出してほしいと人事に頼まれたとしても提出する必要はありません。

解雇

解雇は、会社側からの一方的な労働契約の解除になりますので、退職届・退職願いは必要ありません。ちなみに辞表は労働者からの一方的に労働契約を解除する場合を指したり、役職者が使う場合に使われるケースがあるかと思いますが法律用語ではないそうです。一般的には退職願でしょうか。

パワハラで退職を余儀なくされる場合は、当然一身上の都合でも、自己都合退職でもありません。また、退職届や退職願は退職の意思表示にすぎないものです。本来は口頭で伝えても何ら問題ありませんが、言った言わないの話になりますので必ず書面で提出します。では、退職願や退職届を提出するにあたり、一身上の都合以外の理由を書いてもいいのでしょうか。

退職届にパワハラの原因を書いてもいいの?退職届の書き方(例文付き)

パワハラが原因で退職するのであれば、辞めざるを得ない理由をしっかり書いて必ずコピーを取ってから会社に提出するようにしましょう。具体的にどのように書けばいいのでしょうか。特に決まりはありませんが、下記の例文のように書いてもいいでしょう。

退職届

私は、職場のパワーハラスメントにより勤務継続できなくなったため、〇年〇月〇日をもって退職いたします。

〇年〇月〇日 営業一課 〇〇〇〇
株式会社〇〇 代表取締役〇〇〇〇 殿

退職届を退職願としなかったのは、会社に承諾をするかの判断の余地を残さないためです。会社に退職願を受け取ったが、承諾はしていないという判断をされると退職の日が曖昧で争う余地ができてしまいます。確実に退職するためにも中身も表書きも退職届として提出します。では、仮に人事が受け取らなかったらどうしたらいいのでしょう。

会社人事への退職届は郵送でもいいの?

人事が受け取らないという選択をするのであれば、勝手に人事担当の机の上にポンとおいてくればいいのでしょうか。もちろんそれでは、いつ、誰が、退職届を置いたのか証明することはできません。

人事担当がそんな退職届は受け取っていないとしらを切ればそれまでになってしまいます。退職意思を伝えるのは口頭でも成立しますが電話では記録を残しづらいですし、メールでは成りすましの可能性もあります。

そこで、受取りを拒否された退職届を内容証明郵便という形で配達証明付きにして送付します。こうすることで退職届の存在の証明と時期を特定することができます。

内容証明とは
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。当社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。※日本郵便HPより

このように内容証明郵便は、あくまでも郵便局が内容文書の存在を証明してくれるものです。ですから、上記の退職届の例文を内容証明郵便で送ってもパワハラという事実があったことを証明するものではありません。単に退職届を提出した事実が証明されます。

退職代行を利用する

世の流れなのか、日本という文化の特殊性なのか、いま会社を辞められない人が増えているそうです。そこに目をつけた「退職代行サービス」を利用するというケースもあります。ただし、退職代行サービスを依頼する場合であっても先に述べた退職の準備はしておく必要があります。

まだまだサービス自体が新しく、今後活用事例が増えてくればトラブルが増えてくるものと思います。なぜなら必ず人事とのやり取りが生じるからです。耳心地のよいキャッチコピーや広告に惑わされずに誰がやっているか、責任の所在が明確になるよう何をどこまでしてくれるか、実績やサポート体制などを確認してみるといいでしょう。退職代行サービスについてはこちらの記事なぜ今退職代行が注目されているのかも参考にしてみて下さい。

退職時のやり取りは記録する

内容証明郵便はただの手紙ではありますが、一般的に訴訟のための証拠資料となったりすることから、最後の手段としてお考えください。まずは人事に直接退職届を手渡せないか検討しましょう。その際、人事とのやり取りを記録しておくといいかもしれません。電話であれば通話記録や内容を録音しておくなどして証拠を残しておきましょう。

まとめ

・電話で退職する場合は円満退職ではないことを覚悟する。

・退職届を出すタイミングは衝動的にではなく、有給の消化、転職のタイミング、会社の繁忙期などを見極めよう。

・パワハラで円満退職が望めない場合は、退職届を提出する。

・電話で退職を伝える際は、対面で会わない分入念な準備が必要。

・パワハラで退職に追い込まれているのであれば一身上の都合とは書かずに、退職する理由をしっかり書く。

・人事が直接受け取らない場合は、内容証明郵便を配達証明付きで出す。

・退職時のやり取りはしっかり記録しておく。


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