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仕事で残業を強制・強要させるのはパワハラ?


久しぶりに友人と会う約束をしていたのに、急に残業を頼まれ気分は最低。何とか残業を避ける方法はないものでしょうか。残業って当たり前にしていたけど、そもそも労働時間ってあまり意識して働いてこなかったな。うちの会社はちゃんと残業代支払ってくれているよね…。上司が残業を強制してきて断りきれない。残業の過度な要請はパワハラになるのではないかと疑問に感じている方、パワハラ上司との人間関係がうまくいかず、営業成績も下がっているから残業も断れないと不安に思っている方はお読みください。

上司が有無を言わさず残業を強制してくる。残業が暗黙の了解の様なひとつの文化のように定着化していて文句も言えない。どうしたらいいのか分からず、悩んでいませんか。

このページに訪問されている方の中には、上司のパワハラで悩んでいる、残業が強制的に暗黙の了解の様なひとつの文化のように定着化していて文句も言えない。誰にも相談もできずどうしたらいいのか分からず途方に暮れている。そんな方も多いと思います。

働き方改革で残業を抑制しようという向きもありますが、まだまだ一部の大企業での取り組みで、90%以上の中小企業では古くからの日本的な慣習に引きずられたサービス残業が慢性化しているのが常態です。

この機会に労働時間に関する知識を身に付けておくと、残業の趣旨や根拠の理解が進みいざという時に役に立ちます。

残業を命令することはパワハラの定義に当てはまる?

急な残業命令って嫌ですよね。でも先輩社員も当たり前のように残業しているし会社の雰囲気もあって仕事もないのに無理やり会社に残ったりなんてことをしていないでしょうか。もちろん残業を命じるにはそれなりの根拠が必要になります。

根拠がない場合の残業命令は違法となりますし、働き方改革が叫ばれている昨今、長時間労働については是正措置が取られることになっています。パワハラに該当するかどうかについては「職場内の優位性」と「業務の適正な範囲」の2つのポイントを検討することでしたね。労働時間の正しい理解を身に付けて自分の時間が過度に奪われないように対処していきましょう。こちらの記事(残業しても終わらない仕事をさせるのはパワハラ?)も合わせてご覧ください。

残業を命じるためにはある要件が必要

そもそも残業とは、法律的に許されている労働時間の例外として上限とされている労働時間を超えても労働させることが違法とならないものです。労基法すら守っていないいわゆるブラック企業とは違い、法律の規制のもとで命ずることができるとされています。様々なタイプの制度が用意されていますが、まずは代表的な特定の日や週に法定労働時間を超えることを認めている残業についてみてみましょう

まず1つ目の要件としては、法定労働時間を超えて従業員に労働をさせる場合又は法定休日に就労させる場合は、「時間外労働及び休日労働に関する労使協定」を締結し労働基準監督署に届けられているかどうかが大変重要です。労働基準法36条をその根拠においていることから「さぶろく(さんろく)協定」という言い方をします。

36協定が締結され届けられていることは労基法違反に対する罰則が適用されないというだけで、別途法的な根拠が求められます。それは労働契約や就業規則による規定です。これらの条件を満たす限りにおいて会社は労働者に対し残業を命ずることができる事になります。

(時間外及び休日の労働)
労働基準法第36条
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。

そして労働基準法施行規則16条において協定の内容について定める事としています。

労働基準法施行規則16条
使用者は、法第36条第1項 の協定をする場合には、時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由、業務の種類、労働者の数並びに一日及び一日を超える一定の期間についての延長することができる時間又は労働させることができる休日について、協定しなければならない。

また、この労使協定書は事業所ごとに届出をするという事もポイントです。例えば、本社のほかに営業所が複数ある場合は事業所ごとに36協定書の締結及び届出が必要になります。こういった届け出の有無、就業規則の規定をまずはしっかり押さえておくとよいでしょう。

残業には限度時間が設けられている?

36協定書があれば無限に労働時間を延長できるわけではありません。厚生労働省では以前告示という形で公表してきました。

1週間 15時間
2週間 27時間
4週間 43時間
1か月 45時間
2か月 81時間
3か月 120時間
1年間 360時間

2018年の労基法改正により、告示ではなく法律により明記されました。1か月45時間1年360時間を原則としてそれ以上の労働については特別条項の策定が必要になります。この点も2018年改正で特別条項付協定の要件が明記されます。

協定された内容を超過した労働は法律違反になる

36協定が締結され届出がされていたとしてもその記載された時間や休日出勤可能な日数を超えている場合は当然労働基準法違反となりますので違法な残業命令という事が言えます。

また、36協定書は最大で1年間の有効期間しか定めることはできませんので、1年毎に労使協定を結び労働基準監督署に届け出る必要がありますので届出日がいつなのかを確認してもいいでしょう。

残業とサービス残業の違い

まず、法定労働時間とは「1日8時間以内でかつ週40時間以内」になります。どちらかでも超えると「法定時間外労働」つまり残業になります。36協定書の締結と労働基準監督署への届出、割増料金の支払いが必要です。残業は法定労働時間を超えた労働に対する対価になりますが、サービス残業とはこの対価が支払われないものを言います。また残業代が支払われていたとしても適切な労働時間の把握や割増計算の方法が違っていて正しく残業代が支払われていないケースもあります。ですから、会社は労働者の労働時間を正しく管理するという事が求められます。では、そもそも労働時間とは何をもって労働時間というのでしょうか。

労基法上の労働時間とは「労働者が会社の指揮命令下に置かれた時間」としています。仮に就業規則に始業時刻、終業時刻が規定されていたとしても、実際の就労時間を労働時間に該当するものとしています。

労働時間に該当するものとしては以下のものが挙げられます
・休憩時間にも関わらず、来客や電話当番等で待機している時間
・業務の引き継ぎや業務報告書などの記録をする時間
・黙示の指示といって会社の雰囲気で労働せざるを得ない時間
・作業服の着替えが義務付けられている業務の着替え時間
・有害業務に従事してる特定健康診断の時間
労働時間に該当しないものとしては以下のもの挙げられます。
・休憩時間
・一般健康診断の時間
・出席の強制がなく、所定時間外に行われる研修時間

労働時間の把握の仕方

・始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
イ タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置 に関するガイドラインより一部抜粋

・自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
ア 自己申告制の対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
ウ使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置 に関するガイドラインより一部抜粋

上記のガイドラインから、労働者は会社の労働時間の把握に疑問を感じた場合、会社の指揮命令下に置かれているとみられる労働時間を何らかの残る形で記録を毎日とることをしてみましょう。労働時間を適正に把握することが正しい残業代を算出する第一歩となります。

また、労働時間だけでなく自分の1日の時間の使い方というものを記録していくと、自分の時間の使い方をより強く意識することができる様になります。このような行動記録をつけるのは最初はかなりしんどいことですが、結果的にどんな作業にどのくらいの時間がかかるのかという感覚を身に付けることで、その作業がいつまでにどのくらい完了するかを把握することができるようになります。

逆に言うと、残業を命じる会社はその残業の必要性とどれくらいの時間で終えることができるかを把握したうえで部下に命じなければ過大な要求をすることにもなりかねません。安易な残業命令を避け、いかに効率よく労働時間内に業務を終わらせることができるのかを管理するのも上司の役割と言えますしし、残業を命じられた側も拒否する場合は、正当な理由をもって反論するためにも規定の確認をしておくといいでしょう。

残業を断わる?それともあえて断らない?

残業を断る場合は、生活に支障が出る様な育児や介護の為といった理由があれば正当な理由として認められやすいでしょう。ただ、残業代が正しく支払われるのであれば、収入アップにもつながりますし、何より評価を上げられるチャンスにもなりえます。残業などは誰しも嫌なモノと捉えずに、「余裕」を見せつける事で「お、何かこいつ変わったな」と上司に違う印象を与えることもできると考えることもできます。

そのためにもその残業が何分でできるかを自分なりに計算してみましょう。期限を決めて行動する。こうすることで時間の使い方に対する意識が格段に変わります。行動記録をつける癖を日ごろからしてみるのもいいと思います。忙しいビジネスマンにとって時間は捻出しようと思わないとなかなか作ることができません。この制約がある中で時間を作り、自分に対して投資するという意識が小さな差となり、数か月後には大きな差となっているはずです。

残業をさせないことが違法な労働になっていないか

残業をさせないのはパワハラになるのでしょうか。残業禁止を掲げている企業は、一見残業をさせないように会社が努力しているようにも見えます。しかしこれが退社させた後に自宅で業務を行わせるとか、業務量は増え続けているのに適切な業務量を調整できていないのだとしたらそれはやはり業務の適正な範囲を超えていると言えるでしょうし、精神的、身体的苦痛を与えている又は職場環境を悪化させている場合にはパワハラに該当する可能性が高いと言えます。

まとめ

・残業を命じるには、36協定書の締結・届出だけでなく、就業規則での取り決めも必要。

・法定労働時間を超えた場合には割増賃金が払われる必要があるため、労働時間を正しく把握する

・労働時間を把握するだけでなく行動記録をつけ、時間を有意義に使おう。

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