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我慢の限界!自分の身は自分でしか守れない。

【言葉による暴力】出る杭は打たれる。

私が今でいうパワハラを受けたのは20年近く前のことであります。 当時、私は35歳でした。 勤めていたのはある県の事務職員でした。 簡単に言えば公務員です。 規模は中くらいです。 公務員は転勤というのが定めになっています。 事務系の職員はだいたい3年おきにあちこちと転勤していくものです。 職場の規模もまちまちで、職員数が50人ほどの大きなところもあれば10人にも満たない小さな職場もあります。

さて、私がパワハラを体験したのは全職員数が8人という事務所でした。 人事異動により転勤する旨の内示を受けると、慣例として事前に転勤先にあいさつにいくというのが習いとされていました。 3月下旬、あいさつに行った時からパワハラを受けました。 具体的に言うと言葉による暴力です。

4月からお世話になります米山(仮名)です。 よろしくお願いします。 と、その事務所の所長に言いました。 あいさつを言葉にする前から、その所長は明らかに私を敵視するかのような視線を浴びせました。 そして、お前か、今の職場で問題児扱いになって、島流しにされたのは。 きつい歓迎の言葉を浴びました。 問題児扱いになっているなんて。

確かに、私ははっきりものを上司にいうタイプでありました。 そのことで煙たがられていたことは事実です。

しかし、所長はなぜそんなこと知っていたのでしょうか。 その時、周りを見渡すと部下の職員が下を向いて、所長と私のやり取りを聞いていないかのように仕事をしていました。 とんでもない職場に行くことになるのかと悪い予感がしました。

【決裁のハンコなんて押さないぞ】パワハラ上司の妨害

4月になりいよいよ勤務開始です。 悪い予感は的中しました。 所長はこわもて顔で気性の荒いタイプでした。気にいらない部下を見つけて自分のストレスを解消するということで有名だったことをあとで知りました。 ところで、事務系の公務員は起案といっていろいろな案件を文書形式にして、職場の関係する職員がそれをチェックして職場の長が決裁し始めていろいろな仕事ができます。

私が起案した文書は、ことごとく所長のところでストップがかけられ事務所全体の仕事に大きく滞りが生じました。 ある日、緊急で所長の決裁を受けなければならない案件があったので、直接私が所長のところにその起案文書を持っていきました。 すると、所長はお前のこと好きじゃない、なんだインテリ風吹かせて、決裁のハンコなんて絶対押さないぞと恫喝したのです。

異動してきて3か月ほどたち、こんな上司がいるのかとあきれ、そしてそれを黙認している同僚にある意味憐れみを覚えてしまいました。 同僚に私が受けたパワハラを相談するわけがありません。 時間の無駄です。 家族に相談したところで、公務員なんだから3年我慢すればいいことでしょ。あなたが辞めたら、私たち大変なことになるからなどというに決まっています。

【精神的に限界でした。】パワハラ上司を人事に訴えることを決意

さすがに精神的に参っていました。 我慢するのがある種美徳であるとされていたのが最近までの日本の気風です。 しかし、我慢して我慢して、自分の精神がすさみ、そして身体がぼろぼろになるまで耐えるのはおかしなことです。 もう、限界でした。

私は所長に今まで黙ってあなたの理不尽なふるまいを受けてきたが、これからも同様ならこちらは県の人事課に正式な形で被害を訴えることになります。そのつもりでいてください。 小学生みたいな好き嫌いの感情で部下を差別するなんて上司としての職場の長としての責務をかいていますからね。 と言いました。

後日実際に人事課に直接出向いて、私の件を訴えました。 意外なことに人事課は所長のパワハラのことは、私のことばかりでなく他のケースのことまで把握していたのです。 これ以上、所長を放置しておくわけにいかないと判断したのでしょう。 翌年、所長は異動していきました。 その間、大変な思いの連続でした。

しかし、言わなくてはいけないときは言わなくてはいけません。 自分の身は自分でしか守れないからです。 そのことを強く実感しました。 強くなければ生きていけないということがパワハラを受けた教訓となりました。

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