ぱわきゅー

パワハラに負けない心と対処法について解説するパワハラ救済サイト

【パワハラ体験談】労基法違反、パワハラも利用できる労働審判で勝訴

家族経営にみるずさんな労務管理の職場

当時27歳、とある政令指定都市で音楽活動をしながらフリーターをやっていました。家族経営(夫婦2人)の零細企業、市内に数店舗を展開する居酒屋チェーン店の1つでホールスタッフをしていました。雇用形態はアルバイトで、時給はなんと750円。当時の最低時給でしたが、音楽活動の融通が利くという理由で勤務していました。

当時はダブルワークをしており、もう1つの大手企業が運営する居酒屋チェーン店では、20歳前後と思われるお客の来店時に、いわゆる「ネンカク」、年齢確認を当たり前に行っていました。零細居酒屋の方では、私は副社長(代表の奥様)が店長をする店で1年ほど勤続し、アルバイトの中ではベテランの部類に入っていましたが、この店では年齢確認を一切しておらず、その事に疑問を持ち始めていました。

この頃、22時以降の深夜割り増しが出ていないことと、タイムカードが手書きの点もおかしいと思っていたため、自前のメモ帳に勤務時間とシフトをこっそりメモしていたのが後々功を奏することになります。そんなある日、大学生と思われる団体の予約が入っており、来店時に思い切って年齢確認をやってみました。すると・・・、副社長から「アンタ何やってんの?年齢確認して客を選んでたら儲からないでしょ!アンタこの店潰す気なの?!」と言われました。

団体を部屋へ案内した直後、副社長がすごい剣幕で私につかみ掛かってきました。30歳前後でとても美人な方ですが、この時の怒りの表情は鬼か阿修羅か、人間の姿をしていませんでした。未成年の飲酒が問題になって久しい時期でもあり、どうしても引き下がりたくなかった私は法律で決まっていると口応えしました。すると、年齢確認を今後もするつもりなら今日限りでもう来なくていい、首だ、出てってと、店から追い出されてしまいました。

会社の不当な解雇に怒りがこみ上げてきました。

私自身も未成年時にお酒を飲まなかったかと言われれば、決して否定はできません。が、お酒を提供する店で年齢確認をしなかったから咎められることはあっても、年齢確認をしたから首になるという珍しい体験はなかなかできないかと思います。店を追い出され、首になった実感が沸いてくると、不当な解雇だと怒りがこみ上げてきました。

しかしそれ以上に、自分は未成年の飲酒の幇助をしてしまったかも知れない、もし警察が店に立ち入ったら自分は捕まるんじゃないかと、身の危険を一番に感じていました。今考えれば、年確なんてしていない店や、形骸化している店なんていくらでもありますし、警察もそこまで暇じゃありませんが、当時は自分の音楽活動もこれまでかと、必要以上に人生終わった感を醸し出しておりました(笑)

副社長から直々に当日解雇されたものの、当時は一人暮らしで、音楽活動を両親は良く思っていなかったので、家族には相談しませんでした。知人や音楽仲間にも、負担をかけたくない思いから相談せず、むしろ一人で何とかしてやろうと意気込んでいました。

弁護士は雇えないので労働審判を選択。結果は当然勝訴

早速弁護士の無料相談サービスを利用し、今後の対応について教示を受けた後、駆け込んだのが労働基準監督署(以下、労基署)です。小額訴訟を起こしてやり返してやろうと本気スイッチが入っていました。それほどお金の無いフリーターは弁護士への依頼料を出すのが難しかったため、裁判は厳しいものの、若干の手数料のみで起こせる労働審判を提案していただけました。

私と、その会社の代表が労基署に赴き、別室で担当と面談、争うか示談金を払うかなどの方針を決める日程が組まれました。ところが決戦当日、なんと代表がブッチ(笑)しかも労基署からの連絡も一切取れず、完全に逃亡する気満々。

ただ会社の詳細やシフト等のメモのおかげか、言い逃れできないと判断したのか、次の日に代表と連絡が取れたそうです。私は決戦当日に事情聴取を済ませていたので、後日代表だけで面談するとのことでした。

ウチは小さい企業だからこの事を公表されたら経営が立ち行かない、明るみに出したくないから何とか示談にしてくれないかと懇願してきたらしく、会社側が全面的に折れる形での勝利となりました。年齢確認の未実施、深夜割り増し賃金の不払い1年分、不当解雇の3件の賠償金は結構な額を受け取り、事態は収束しました。

正社員じゃないから、少額だからとあきらめず専門機関を利用する。

中小零細企業はタイムカードが手書きだったり、そもそもタイムカードが無かったり、自分の労働を証明する資料を残すのが難しい場合があります。勤務したアルバイト先の勤怠管理がずさんだとわかったら、自前のメモ帳に手書きで残しておくだけでも十分な証拠として利用できます。

訴訟を起こすとなると金銭的な負担が大きいので躊躇しがちですが、労働審判は無料で起こせますし、少し調べれば最小限の負担で会社と争う方法はちゃんと見つかります。可能なら録音機の常備や、メモ帳携帯など、怪しいと思ったときにすぐに行動に移れるよう、自分の身を守る準備をしておいて損はありません。正社員じゃないから、小額だから、どうせ聞いてもらえないからと泣き寝入りする必要はまったくなく、声を挙げて専門機関に相談すればちゃんと届きます。

ブラックバイトという言葉通り、従業員の不当な扱いがかなり認知されるようになっていますので、現場の実態がわかった段階でしっかりと戦える準備をしておきましょう。

特集記事一覧

人気記事

まだデータがありません。

運営者情報

運営者情報

はじめまして。当サイトの案内人みどりと申します。

 

このサイトを運営するpawahara.net運営事務局では、「自分の生き方を選択する」をテーマに役立つ情報を配信していく事をお約束します。

 

パワハラへの対処の仕方や相談機関などパワハラから抜け出し自分を取り戻す為の情報、パワハラを受けた方の体験談や教訓などの情報、また転職や起業など情報も掲載しております。

 

心を病んでしまうほどのパワハラを受けることは大変つらいものですが、見方を変えれば、自分の人生をどう選択していくのかを深く考えるきっかけにもなります。

 

今の仕事を続ける、転職する、独立する、Wワークをするなど、どの選択をするのかはあなた次第です。

 

人生は一度きり、後悔しない人生の為にあなたは何を選択しますか。