- 投稿日
- 2018年8月25日
- 更新日
暴走するパワハラ上司を見逃さなかったのはクライアント
施術中にも関わらずパワハラ上司から「蹴り」が
当時22歳、専門学校を卒業し、社会人一年目でした。大阪から職場のある東京へ上京し、初めての一人暮らしでもありました。スポーツ関係の仕事で、主にスポーツジムでのトレーニング後のケア、怪我したクライアントの評価、サポート業務を行っておりました。私が入社したのは株式会社で総社員人数は20人未満の小さな会社でしたが、大手スポーツジムの請負業務を行っておりました。
当時はただただ嫌な先輩上司だと思っていましたし、社会人なんてものはこんなものだと思っていました。ましてや、関西から関東へ出ていったので地域柄冷たい人間だとしか思わなかったのですが、昨今のパワハラ問題のニュースを見ると間違いなくパワハラだったんだなぁと思いました。
初出勤で、挨拶をしても無視、仕事は教えてくれないのに動かないと怒鳴られるなどという軽いものから始まりました。同期が6人いましたが、1人ずつ攻撃され、次第に私と同郷から就職した男の同期の2人だけしか残らなくなりました。私も仕事内容を覚え、クライアントから気に入られるようになると、それを気に入らない先輩上司がわざと担当を外すようにしたり、私がクライアントと会話していると施術中にも関わらず蹴りを入れてくることもありました。
クライアントが会社にパワハラ被害を告発してくれた
休日に休むと「何で休んでるの?」と言われました。職場へ出て練習するのが当たり前だよね、というような口調です。クライアントの前でも私たち新入社員の悪口を話したりは日常的。怖いというよりも、怒りの方が大きかったです。その先輩だけに対するものではなく、その状況を見て見ぬ振りしていた社長や他の先輩に対してです。
身体は正直なもので、通勤中にパニック障害を引き起こすようになったり、睡眠中も自律神経の乱れによりパジャマを着替えなければならない程の汗をかいたりする事もありました。他にパワハラを受けていた同僚は、手の痙攣が止まらなかったり、一瞬記憶が飛んだりする事もあったようです。上京したこともあり、相談する友達もいませんでした。職場の誰かに相談したくても、誰が味方になってくれるかも分からなかったので話すこともできませんでした。
唯一、同じような被害に遭っていた一期上の先輩と同期とだけは愚痴りあっていました。
しかし、そんな中で暴走する先輩上司を見逃さなかったのがクライアント。私たちに対する行き過ぎた態度をしっかり見ていて、上層部の方へ意見してくれました。そこから、パワハラをしていた彼女への対応が会社全体厳しくなり、彼女は退社していきました。
【当時はパワハラ経験が今は笑い話に】職場の仲間がいたから乗り越えられた。
彼女が退社してから、クライアントさん達はずっと私たちの事を気にかけていたと言う事を教えてくれました。彼女が居なくなってからはクライアントから現場の雰囲気が明るくなったねとのお言葉も頂きました。私の頑張りを影で見守っていてくれてたんだと思うと、どんなに辛くてもきっと誰かが見ててくれる、だから大丈夫と思えるようになりました。
社会人一年目でこのような経験をしたことによって、これから先どこの企業へ行っても物怖じしないだろうなと自信がつきました。パワハラ上司の事をその後の社内では、黒歴史、ガン細胞と呼ぶようになりました(笑)。私が最後に行ったパワハラ上司への唯一の復讐は、一緒に行く約束をしていたアーティストのLIVEを当日ドタキャンしたことです。とても楽しみな素振りを見せ、サラッとキャンセルしました。
彼女は退社したのでもう顔を合わすこともないだろうと思い…その話をかつての被害を受けた同僚達とのお酒の席ですると、皆揃って似たような事をしていました。彼女は今独立し、一人で働いているそうですが、当時のクライアントは一人もついてこなかったようです。化けの皮は隠しきれないんだなぁと改めて感じました。当時は辛いこともありましたが、今となっては笑い話で、一緒に戦った仲間がいた私はとても運が良かったんだと感じています。