- 投稿日
- 2018年8月26日
- 更新日
上司のパワハラで退職を考えてる人の賢い選択
上司のパワハラに耐えられない。まずはストレスの発散が先?
パワハラを受けているあなたは、上司にとってどんな存在だと思われているでしょうか。ストレスのはけ口かもしれないし、上司の考え通りにやらない部下なのかもしれません。いずれにせよ、今あなたは上司の格好のターゲットとなっていることは間違いありません。パワハラ上司は、少しでも間違ったことや気にいらないことがないかどうか、あなたの行動を逐一チェックしていることでしょう。
「精神的にも肉体的にも、もう限界で休みたい」「もう会社を辞めたい」と考えているかもしれません。ただ、上司の限度を超えたパワハラを受けている辛い状況下で退職の判断をするのは早計です。まずは信頼できる人に相談してみてください。これは客観的なアドバイスを受けるという意味もありますが、それよりはストレスの解消になります。まずは今感じているストレスを溜めないようにしっかり解消しておきましょう。
ストレス発散としてもっと良い方法を一つ紹介します。とてもシンプルな方法でかつ強力な効果が得られます。それは、自分の感情をそのまま紙に書いてみることです。心理学ではエクスプレッシブ・ライティングと言います。自分の感情を紙に書いてみて、それを自分で読み返してみます。すると自分の心を客観的に知ることができ、自分はこんな感じで怒っていたんだなとか、こんなことを言われたから辛い思いをしているのだなと知ることができます。
やり方は簡単ですし、日記のようにその日の出来事だけでなく、思ったことや感じたことも書くことによって上司からパワハラを受けた記録にもなります。感情を書き留めておくのは抵抗があるという方は、書いた後に捨ててもいいでしょう。とにかく感じたままに書くというのがポイントです。管理人は後から検索できるようにブログに書いています。
パワハラの相談窓口はここ。労働基準監督署ではない?
パワハラの相談をする場合、まずは、自分が何のために相談しているのかをよく考える必要があります。よくありがちがなのが、労働基準監督署(以下、労基署)に相談したけど何もしてくれなかったという声。確かに労基署は労働問題を扱いますが、労働基準法をはじめとする労働法規に関する相談、例えば有給休暇を取得させてもらえないとか、給料の未払いがありどうやったら支払ってもらえるかといった相談を受ける窓口になります。
一方、パワハラについては管轄外なので労基署では基本的に相談に乗ってくれません。但し、労災認定については労基署の管轄なので、「パワハラを受けて労災申請をしたい」という相談には乗ってくれるでしょう。相談先を間違えてしまう事で、行政窓口に行っても何の解決にもならなかった、まったく意味がなかったとミスマッチが起こってしまいます。自分の悩みはどこに相談したらいいのかわからないという方は、まずこのサイトをご覧いただいて適切な相談先を見つけてください。
さて、パワハラの問題相談にあたっては、労働局が管轄になります。労働局であなたは3つの支援が受けられますので活用してみてください。それは、総合労働相談コーナーにおける情報提供や相談、都道府県労働局長により助言や指導をしてもらえる、紛争調停委員会によるあっせんの3つになります。
労働局で具体的にできる事
パワハラの問題解決に当たって重要なことはまずは情報収集とパワハラにたいする正しい理解です。しっかりとあなた自身が今の状況を理解し、解決をするために何をする必要があるのか知ることが大切です。どういった行為がパワハラに該当するのか、パワハラの事実を証明する証拠にはどういったものが必要か、相談窓口では今後に向けて今やるべきことは何かという情報を教えてくれますので積極的に活用しましょう。面談はもちろん電話でも相談が可能です。
都道府県労働局長による助言指導は、紛争当事者であるあなたと会社に対し、パワハラ問題の解決に向けたアドバイスになります。こちらは行政指導ではありませんので従わなかったとしても行政罰である過料などがなされることはありません。要は何ら法的拘束力はないという事です。また、労働紛争を扱う専門家によるあっせんを利用することも可能です。
あっせんは、いわゆる調停のようなもので、弁護士や社会保険労務士といった労働法務の専門家や大学教授といった学識経験者により組織された紛争調整委員会が間に入り、双方の言い分を聞いたうえで解決策を提案してくれます。メリットは無料で利用でき、裁判のように長期間拘束される事がないという点でしょうか。非公開なのでプライバシーも保護され安心です。
あっせん申請書の書き方について
あっせん手続についても、労働局の窓口にあっせん申請書を記入し、提出するだけです。あっせん申請書には、労働者の氏名住所、事業者の名称や所在地、あっせんを求める事項及びその理由、紛争の経緯、その他参考となる事項と書式を埋めるだけ、最後に日付と氏名、認め印を押せば完了です。
「あっせんを求める事項及びその理由」については、時系列でパワハラの内容を整理して自分の主張を具体的に記載しましょう。(例:●年●月●日、上司の○○氏より「お前は生きている価値がない」などと尊厳を踏みにじる言葉を浴びせられ、朝礼や皆のいる前でも罵倒されることがあり、精神的に参っている。会社には異動を願い出たり、対策をしてもらうよう相談したが何もしてくれない。精神的苦痛を受けた損害として●●万円を請求したい等)ポイントは数字や根拠を入れて説得力を持たせることです。
「紛争の経過」や「その他参考となる事項」では、会社に対応を求めた後の対応であったり、労働組合への相談の有無などを簡単に記載します。会社の上司など内部の人間に相談することはもとより、労働局や弁護士など外部に相談を持ちかける場合に重要なことは、パワハラという事実が単なるあなたの言いがかりではないという事を証明することです。
パワハラで会社と歩み寄れるのであればあっせんを利用するのもアリ?
つまり証拠です。客観的な証拠があれば、相談機関としても対応がとりやすくなります。逆に何も資料もない状況だと、単なる水掛け論になったり、相手の「適正な指導の範囲内」だったという主張を許してしまうことになりかねません。外部に相談をする場合はまずは証拠作りが大切です。
逆に問題を大きくしたくないという事であれば、外部には相談程度に留めておくのが賢明です。まずは確実に情報収集に努め、証拠が十分そろってから行動するという冷静さも必要です。また、あっせんでは当事者の合意がない場合は、打ち切られてしまいます。期日に出席しなかったり無視されてしまえばそれでおしまいです。
一方、比較的大規模な会社であれば、問題を大きくしたくないという感情からあっせんに参加して穏便に済ませたいという心理も働くかもしれません。ある程度お互いが解決に向けて足並みをそろえているといった場合には有効な手続きになると思いますので会社の対応や出方を見ながら検討してみましょう。
まとめ
・パワハラを受けたらストレスを溜めこまない、まずは誰かに相談しましょう。
・できるなら、1日の終わりに日記を書いて感情を吐き出しましょう。
・パワハラ問題の解決に労働局では3つの支援が可能
・あっせんは双方が歩み寄り解決策を模索しているのなら利用もありか。
・パワハラ問題のポイントは事実の証明、しっかり証拠を揃えましょう。
外部に問題解決を委ねる場合は、単にパワハラ上司とあなただけの問題ではなく、あなたと会社の問題になります。会社は内部の問題を自分たちで解決できない、マネジメント能力の足りない無能な会社とみられるわけですから、仮に問題が解決しても引き続き同じ会社で働き続けることは難しい可能性が高いです。
そこで、パワハラの証拠作りと並行して準備しておきたいのはやはり情報収集。なんの情報収集かというと転職情報です。自分の強みや適職診断ができるサイトが多くあり、自分自身を知るという意味で活用しておくといいでしょう。パワハラを受け心に傷を負った経験のある管理人も「パワハラを受けたおかげ」で改めて自分自身を見つめる良いきっかけとなりました。
特に業界の動向や採用の時期、タイミングのことを考えると、とりあえず登録だけでもしておき情報を受け取れる状態にしておくことで、あなたに合った情報を見逃さずに掴めるかもしれません。また、働き方そのものを見直してみる機会としてもいいでしょう。