- 投稿日
- 2018年10月1日
- 更新日
面接もパワハラ?
一度転職を経て気づいたのは、会社の雰囲気や仕事の進め方は、「入ってみなければ本当のところは分からない」という当たり前の真実でした。大学を出てから最初の職業は団体職員でしたが、より攻めの姿勢が求められる刺激のある仕事を求め、旅行代理店に転職しました。当時、27歳、仕事内容を重視したため、会社の規模は前職より小さくなり、50名弱の社員を有する会社に転職しました。男性が7割程度で、オフィスがやけに静かだったことが印象的でした。やがて2週間ほどしてから、その職場の女性上司がパワハラ体質であることに気づきました。
特に我々男性職員は、半ばいびられているような状態で、一部のお気に入りの女性社員数人を除き、女性社員もよく攻撃の対象にあがっていました。そして、対象となっていた社員のストレスがたまってくるのが誰にも分かるようになると、その女性上司のパートナー役の男性が、その社員を食事や呑みに誘い、ガス抜きをさせていました。そしてまた、日常に戻っていくことの繰り返し。後になって、この女性上司のパートナー役の男性社員が、我々の愚痴をそのまま女性上司に告げ口していたことを知りました。
転職してから3年、30歳を前に、私はこの企業体質がどうしても合わず、再度、転職サイトを通じて転職活動を行いました。30社ほどに応募して、10社に書類通過、1次面接で合格できたのは4社、2次最終面接まで残ったのは3社でした。
パワハラで滅入ってしまった経験や表情は決して見せない
英検1級や簿記の資格を持っていたのが幸いし、勝率は悪くありませんでしたが、転職理由を正直に答えたため、面接で「炎上」したケースがありました。これだけブラック企業やパワハラが社会で取り沙汰されていても、現場の面接官は同情的でないことも学びました。つまり、転職者のメンタルが弱いため、本来パワハラといえるほどの被害はないのに、「逃げ」のため転職活動をしているように捉えている人も少なくないということです。
当初、正直にパワハラの状況を説明し、「それはひどいですね」と同情してくれた面接官もいましたが、なかには、「本当にパワハラと言える客観的な事例はあったのですか?」「ご自分の思い込みではなかったのですか?」と詰めてこられる会社もありました。以来、私はパワハラも転職理由の一つであるが、御社に入りたい理由、御社で働きたい理由を整然とさせ、パワハラが理由で転職するというフォーカスをなるだけぼかし、あくまでも前向きな転職であることをアピールするようにしました。
もちろん、自分がまた入る会社にパワハラがあってほしくないという意味で、自分が経験してきたパワハラに少しだけ触れることは忘れませんでした。オフィス系の職種への転職で、30歳前後の人材に求められていることは、社会人常識とマナー、PC操作を含めた基本的な業務スキルであることは論を俟ちません。しかし同時に、新卒学生の就職活動と同じく、本人の前向きな姿勢や仕事に取り組むエネルギーも重視されていることも事実です。パワハラで滅入ってしまった経験や表情は決して見せず、自分のできること、やりたいことを押し出していく演技力も必要であると振り返って思います。